気にして欲しいって、いつも思う。
あいつの目が、いつも俺を追ってないとヤダ、って思う。
離れてるときは、そばに居たいって思って、
そばに居るときは、ぎゅってして欲しい、って思う・・・・・・・。
「太一さーん!!」
光子郎。
「おはよー光子郎。・・」
「はぁ、はぁ…今日は朝練、ありませんよ」
「なんで」
「だってもう、期末一週間前です」
「あ」
忘れてた。
「きっと太一さん、習慣で今日も朝早いだろうなって思って。」
光子郎・・・。
「で、そう思ってたんですけど、つい寝過ごしちゃって…家まで行ったんです、そしたらもう出て行かれた、って。
だから急いで追いかけてきたんです」
光子郎。
「太一さん・・・?」
「・・・・・うん、ありがと。」
いつも、気にしてて欲しいって思う。
「ありがとな、光子郎・・・」
「?・・・・さっきも言ってましたよ・・・?」
「いいから!!どうせお前ももう学校行くんだろ?行くぞ!」
「ハイ!」
離れてるときは、そばに居たいって思って、・・・
「寒いなー」
「ええ、なんだかんだ言っても、もう11月も終わりますもんね」
そばに居るときは、ぎゅってして欲しい、って思う・・・・・
「なぁ、・・・」
無言で差し出す手。
「・・・・はい」
ぎゅっと握り返してくるあたたかな手。
「太一さん、手、冷たい。」
「いーの!手が冷たいひとは心があったけーんだよ!」
「…はい。」
きっと、にっこり笑顔なんだ。
でも、前を向いて歩きつづける。
「・・・・太一さん、こんどの期末は・・・」
う。
「赤点、取らないでくださいよ」
・・・・・。ハイ。
「僕、太一さんの方の範囲も一緒に勉強しますから。」
「うん・・・・ありがとな。」
「・・・・こっち見て言って下さいよ」
・・・・・・。
「・・・ありがとな。」
「はい」
この笑顔が。ずっと俺に向けられるものでありますように。
「太一さんの笑顔が、ずっと僕のものだったらいいのに・・。」
「ん、何か言った?」
「いいえ」
学校まで。ほんの少しの距離。でも、あったかかったよ、光子郎。
…なんと最短記録5分で書き上げ(死)
二学期の期末、ウチの妹(中学生)いつだったか忘れちゃって、11月末の設定に(苦笑)
光子郎のたくらみ(?)に気づかないピュアピュア太一が私的に大好きです(笑)
みゆ まいら 20001210
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この文は今でも私のお気に入りです。
こう、ほんわか萌え〜が良いのです。