注※2011年設定。「浴衣と、想い出」の続きっぽいです。

 

今年も、来れた。

「今の、キレーだったなっ!」
「え、あ、ええ」

全然違うことを考えていたなんて、
思い出に浸っていたなんて、
言えない。

花火。
大好きな花火。
大嫌いな花火。
夜空に咲く大輪の火は、横顔を美しく照らす。だから大好き。
夜空に消え行くほのかな火は、明るかった横顔を隠してしまう。だから大嫌い。

花火は、すぐに枯れ落ちるから。
花火は、儚いから。
・・・だから、きらい。

「なーんか背が伸びると見え方もちょっと違うような気、しねー?」
「花火大会の花火の高さは20mくらいあるんです、数十cmの差は誤差にもなりませんよ」
「いや、そうじゃなくて」
「はぁ」
「・・・・いや、いいよそれで」
「何ですか・・ひどいな、」

キス。

誰もいなかった数年前、
いつの間にか人が溢れる“穴場”になっている今。

「おま・・やめろよ、台場ではしないって約束だろっ」
「僕たち小さかったですもんね」
「え」
「この砂場がこんなに狭いなんて」
「は?何ゆってんだ」
「空も、星も、迷惑してるでしょうね・・・・」
「え、おい」

今日は満月。
小さくても気高く美しい満月と、下賎に大きく咲く花火と、その対比が美しくもあり、醜くもあった。

どこかに帰りたいと思って、そうしてこの人工の島にやってきたのに。
この土地には知った人が居ない。
知らない住民たちはどこかガラス細工のような無機質さがあって厭だ。

「光子郎?」
「ごめんなさい、・・・帰りましょう」
「うん、家からでも花火見えるし、砂場も行ったしな」

躊躇いがちな、控えめなその声が、
数年前の記憶と共に、胸に抱え込まれた狂気を呼び覚ます。

―― 僕を、まだ離さないで。

「帰りましょう」
「ん、帰ったら二人っきりだ」

僕たちのほかには、誰も、居ない。
だってここからは、花火が見えないから・・。

まずは超短文で申し訳ありません(汗)
意味不明で申し訳ありません(爆)

あ、もちろん太一さんはこのまま家に帰らずにココで(!)されかけてしまいます;;
花火が終わって人が帰り始めたので未遂に終わるものの、結局は家で・・・(笑)

つーかわかりづらくてすいません;;;;;
こう…行間の意をもうちょっと表現したいです・・・・・・。

みゆまいら 2001.08.10