「冷たくするなんて」

「卑怯だ」

ふっと息を吹きかけられて、
そしてあなたの腕に顔を埋めた

仰ぐ空は閉じられて
真っ白な天井だけが唯一の空

「あのときは」

空が、青い空がただ広がっていた
何も無いような空が

「何も無くなんて」
なかったけれど。

「あのときは」
無我夢中で
“ひたすら”なんていう言葉が似合って

「じゃあ今は?」
「幸せ?」
「楽しい?」
「充たされてる?」


「充分です・・・・・・」


ふっと息を吹きかけて、
そしてあなたを抱き寄せる
あなたの抱き返すその力が
生きる力をくれる

あなたになら殺されてもいいと思っていることを
どうか
許して