うしろに重いものを感じた。
「・・
――――― なに・・・?」
目が覚めてしまった。

「・・ねれないや・・・。」
かといって起き上がって何かをするような気にもならない。
背中に感じる重いものが離れない所為でもある。
なんだろう。思って、首をねじってみる。
が、見えない。

首を戻して、空ろな意識で考えてみる。
―― テントモンだろうか。
いや、ちがう。
あたたかい。人の身体だ。
「もう・・」
寝相の悪い人だなぁ。
そう思いながら、今度は、寝返りをうつ要領で、横を向いていた身体を仰向けにする。
左側の重いものを見ようと視線を移せば、特徴あるボリュームの髪。

・・太一さんだ!

一瞬で醒める意識。
次にパニックに近い感情がおこる。
どうしよう。
どうもこうもないのに緊張がおさまらない。

「・・・太一さん」
小さく呼んでみる。
誰かが起きたりしないように、小さく小さく。
「昨日も疲れましたね・・いっぱい歩いて」
光子郎も疲れている。
緊張が少しずつほぐれていく。状況に対応していく。
「よく寝てくださいね。・・寒いから僕のところへ来てくれたんですか?」
布団はおろか毛布も寝袋もない睡眠。
気温は低くないと感じるが、よくわからない。
一日中歩いて走ってを繰り返すので、横になれば眠れるのだ。
「だったら一緒に寝ましょう・・」
知らず微笑んで、まだ名づけられていない衝動のままに、手を伸ばす。
「太一さん」
自然に太一の頬に軽く触れて、・・だが次の瞬間、その行為が何を示すのか、答えが欲しくなる。
「・・・・ぼく・・」
こんなふうに人に触れること、なかったのに。
こんなふうに、そう、やさしく触れるなんて。
「なんで」
こぼれる言葉。

太一はなにか‘特別’なのだろう、と仮の結論を出して、彼は眠りにつく。
仰向けのまま、肩口を太一の身体に触れさせて。
その手は、もう太一には触れていなかったけれど。

泉監では初めてだとおもいます。
光太未満。

やっぱり光子郎さんが一番です(何が)
無印光子郎さんはピュアでいくか黒でいくか大変迷うところです。
黒推奨ですがピュアも捨てがたい〜〜〜(何なんだ・・・)

03年1月10日 みゆ