diary

はちいち   8/1/2021

光子郎は画面を見ながらアルミ缶の飲み物に口をつける。いつも行くスーパーでちょっとお酒を買おうと思って売り場に寄ったものの、普段買わないからその種類の多さに圧倒された。なんだか惹かれるものがあって花火がデザインされたパイナップルのアルコール飲料を購入した、悪くない。酒というよりジュースみたいだが。

画面の向こうは米国、シンポジウムでオブザーバーを務める顔を見つめる。真剣な顔、あるいは笑顔とともに放たれるウィットに富んだコメント。光子郎には何を言っているのか細かい機微の分からない言葉もあった。そういうときはその発言の時刻となんとなく聞こえた感じを記録しておいて太一に教えを乞う。光子郎には知識が増えるし、太一には伝わらない人間がそれなりにいる表現だと認識させることになるからwin-winなのだ。

この数時間前にやりとりした言葉を思い出す。
<ごめんな 今日8月1日なのに>
<いいんです 今年なんてどうせ集まれませんし>
<集まれなくてもさあ>
<いや>
<ごめん 俺は光子郎といたいよ>
はっとする言葉が書かれていて、光子郎のほうがむしろびっくりしてしまった。離れていようが問題なく自分たちは順調だと、そう思い込んでしまっている。その視野狭窄は、危ない。
<そうですよね>
<僕もです タイミングを見て会いに行きます>
<正規ルート?>
<裏>
<です>
光子郎だって、たまには悪事に手を染める。
<僕だってあなたといたい>
その言葉が太一を喜ばせていると信じて。
<シンポジウム、見ますね>
<まー適当にやる>
<がんばって>
返ってきたスタンプがアグモンの「だいじょうぶ!」であることに笑んでから、光子郎は仕事をいったん終わらせてスーパーに行き食事とアルコールを買った。それはある意味、普段の自分からちょっとばかり脱却するということ。

あとどれくらいで彼をこの腕に抱き込めるかと想像しそうになったがそれを押しとどめて議論に意識を持っていく。どうやって執行するかはもう考えてある。つとめて冷静に。しかしそれと矛盾するアルコールを、もう摂取してしまっている。冒険にわくわくする。8月1日は、これでいいのだ。

光太アンソロジー 参加してます   2/14/2021

BOOTHにて光太アンソロジー「ぼくとあなたの×××」販売開始されています。
https://booth.pm/ja/items/2697169
参加させていただきました。冒頭の1ページがサンプルになっていますのでご確認いただければと思います。
なーんかダラダラと字数だけ多くなってしまったのですけど。それなりに気に入っとります^^
よろしくお願いします。

pixivに2012年冬コミ光太コピー本アップしました   1/16/2021

さいごに出したコピー本、大人おもちゃ光太本「Why not use the toy ?」をpixivにアップしました。
当時お買い上げくださった皆様本当にありがとうございました。
もう8年も経ったんですって…ひええ

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14475719

光太(時間軸よくわからないよ!)   1/1/2021

 はあ、はあと息を切らす中に、ふう、ふううと夜の息が混じる。
(いま、何時……)
 年越し蕎麦を食べた。鍋と丼を洗い、テレビをすこし見て。日付が変わるよりずいぶん前にリビングのあかりを消して寝室に入った。太一が先にベッドに腰掛けて、光子郎が追うようにキスしてくれて。押し倒されるより早く、光子郎を引っ張って二人で倒れ込んで笑い合って。こんなふうに年越しをするのは初めてじゃない。かといって、毎年できるわけじゃない。だから貴重だ。
(もう日付かわったのかな)
 快感の中で太一がほんのすこし時計のほうに視線を移したのを、光子郎は気付いただろうか。
「っ、あ、」
 もう二度ほど達したあとだ。光子郎が太一の中に埋めた自身をゆっくり引き、ゆるゆると埋める。緩慢な動き。太一を追い詰めはせず、いっそもっと強くしてと願ってしまう優しさで快感を引きずり出す。そんな光子郎を邪魔することなく、太一は言葉を告げた。
「なあ、とし、あけた?」
「さあ…、」
 光子郎にとっては年が明けたかより、太一が気持ちいいかのほうが重要だ。けれど、年越しが気になる太一のこともおざなりにはできない。
「時計、みえる?」
「僕はあなたを見ていたい」
 こう言われてしまっては、太一は時刻を知ることをあきらめるほかない。
「うん…」
 胸をきゅううとさせてただそれだけを答えるが。光子郎は自身を何度か動かしたあと、太一にキスを落とし時計を見てくれる。
「ああ、日付かわりました、20分ほど過ぎてます」
「え! じゃあ、ッ、あけおめじゃん」
「ええ」
「っ、はあっ、はは、めちゃめちゃ、最中だなっ」
「ええ、…しあわせです」
「うん、…来年も、こうしたいな」
「心得ました」
 嬉しさの中にいたずらっ子のような表情がある。そんな顔をさせていることが、たまらなく幸せだ。

光太   11/22/2020

なにをしていたんだっけ、ぼうっとしながら太一は自分の状態を把握しにかかる。そうだ、寝て起きたのだ、このシーツはついこのあいだ新しいものに変えたばかりで張りがある。しっかり体温に馴染み心地好い。くん、と匂いを嗅いで思い出した。光子郎に愛されたのだということを。
(あー、そうか、そんでまあだらしなく寝てたわけだな)
枕を掴んで顔を沈める。服を着た覚えは無いが肌にはパジャマが纏わされていた。こういうときのために買った安物だ、おそらく光子郎はあらかじめクローゼットから出しておいて太一が深く眠るうちに起こさないようそっと羽織らせてくれたのだ。
(……愛されてる)
頬が赤くなるのを感じる。光子郎に愛されているなんて当たり前なのだが、あらためて感じるとそりゃあ照れるし幸せだしうわーっとなる。だがしかし。無意識に寝返りを打とうとして身体の重さを感じると、光子郎への愛はガッツリ削られる。
(すきほーだいやりやがった…だから寝かされてんだわ)
いや、光子郎が本当に"好き放題"したわけではない。分かっている。太一だって盛り上がった。「もっと」と求めた太一に光子郎が掛けた「無理しないで」という声音を思い出して太一はもう一度うわーっとなった。どうせなら記憶が無くなっていたら良かったのに。
「……」
分かっている。これが幸せだと。喉が渇いていた。太一は光子郎を呼ぶことに決める。たぶん光子郎は、ものすごくにこにこして幸せそうな顔をしているだろう。それでいい。それでこその、幸せだ。


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